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肘の痛みの原因を解説!!

2020.3.27

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こんにちは、MEXTRの佐藤です。
人間の身体の関節は、安定性と可動性という2つの役割があります。主に安定性として働くのが、肘関節・腰部・膝関節。これらの関節は、本来動かすべきではない可動範囲を超えて動かしてしまうと、痛みやケガにつながってしまいます。今回は、その肘関節のケガとについて詳しく解説していきます!

肘の痛みの原因を解説!!
  1. 肘の解剖
  2.  肘のケガの種類
  3. 肘のケガの症状と原因

肘関節の解剖

肘関節は、上腕骨・橈骨・尺骨の3つ骨で構成されています。動きは屈曲と伸展といった肘の曲げ伸ばし動きを可能とします。肩関節のように動かすことを得意としている関節ではない為、可動範囲はあまり大きくなく、可動範囲を超えてしまう動作や何度もストレスが繰り返し加わってしまうとケガにつながってしまいます。

肘関節のケガの種類

肘関節には、下記のようなさまざまな障害・外傷の種類があります。

・肘関節内側側副靱帯損傷

・上腕骨外側上顆炎

・上腕骨内側上顆炎

・離断性骨軟骨炎

・変形性肘関節症

肘関節のケガの特徴

・肘関節内側側副靱帯損傷

主にスポーツ中の転倒により生じることが多いケガです。柔道・ラグビー・体操での受傷が多く、最近ではスノーボードでの発症例が多くなりました。小児期には投球動作によって、内側側副靱帯の付着部である内側上顆の剥離骨折が起きるリトルリーグ肘と呼ばれる障害が発症することもあります。

内側側副靱帯損傷は、肘関節内側部痛、全力投球不能、球速低下、遠投距離低下などが起きます。発症は徐々に痛くなる慢性型と、急激に痛くなる急性型があり、中学・高校生では慢性型が多く、大学生以上になると急性型が多いです。

内側側副靱帯と肘関節周囲筋群は、作用の異なるものであり、靭帯損傷を筋力増加で補うのは困難とされています。まずは、患部を安静にし、医療機関で診てもらい医師に相談しましょう。手術適応の場合、術前の競技レベルへの復帰が90%以上可能であり、ポジションを変えて競技復帰したものを加えるとほぼ100%になります。野球を例にした場合、手術後2〜4週間のギブス固定を行い、4ヶ月後にキャッチボールを、6ヶ月後に軽い投球練習を開始し、8ヶ月で全力投球が可能になると想定されます。

上腕骨外側上顆炎

上腕骨外側上顆炎は、肘関節外側の健付着部に痛みが起こるケガのことです。成長期と成人にみられるものがあります。成長期では小学校の高学年から中学生にみられます。この時期は身長の増加が著しく、骨性の成長に比べ筋の身長が劣るので、健付着部にかかるストレスが大きくなり、痛みが生じます。成人ではテニス肘と呼ばれ、テニス競技者に多くみられ男性よりも女性に多く発症がみられます。症状が強くなると、日常ではタオルを絞る動作で肘関節の外側部に痛みが生じます。

上腕骨内側上顆炎

上腕骨内側上顆炎は、肘関節内側の健付着部に痛みが起こるケガのことです。成長期と成人にみられるものがあります。成長期では小学校の高学年から中学生にみられます。この時期は身長の増加が著しく、骨性の成長に比べ筋の身長が劣るので、健付着部にかかるストレスが大きくなり、痛みが生じます。成人ではゴルフ肘と呼ばれ、ゴルフ競技者に多くみられ男性よりも女性に多く発症がみられます。

上腕骨外側上顆炎・内側上顆炎の症状が発症したら、安静を第一にし医師の判断の上で、抗炎症の湿布や軟膏の外用薬を用い、必要に応じて内服消炎鎮痛薬を追加します。症状が長期化する場合には、温熱療法や一週間以上の間隔を開けてのステロイド局所注入を施行することもあります。手術を要することは稀であり、多くは保存治療で回復が見込めます。

離断性骨軟骨炎

離断性骨軟骨炎は、成長期にみられる野球肘の1つです。投球動作で肘関節にストレスが加わり、上腕骨の小頭部の痛みが多くみられます。軟骨の磨耗、亀裂、剥離、欠損と進行していき、軟骨下骨も変形していきます。

変形性関節症に進行しやすい病態であり、スポーツや労働のみならず、日常生活にも支障をきたす例がある為、早期発見・早期治療が重要になります。手術治療として、遊離体摘出、病態切除、病巣部のドリリングなどの方法があります。修復術後約6ヶ月からキャッチボールを開始し、8〜10ヶ月ほどで全力投球が可能となります。

変形性肘関節症

変形性肘関節症は、スポーツや重労働により肘関節に骨棘が生じ、肘を伸ばす動作で骨棘が骨や靭帯に当たり痛みが生じます。この骨棘が大きくなると可動域制限を生じ、口に手が届かない、髪が洗えないなど日常生活に支障をきたすこともあります。衝突の繰り返しで骨棘が破損すると、痛みが強くなります。

変形性肘関節症の症状の改善は、まずは安静にし関節内のステロイド・ヒアルロン酸の注入をすることで、炎症を除去していきます。炎症が軽快すると、骨棘があってもスポーツ復帰できる例は少なくありません。しかし、スポーツ障害の特徴として、再発の繰り返しが頻繁になった場合、保存治療では改善できないこともあります。手術適応の場合、骨棘切除と滑膜切除による関節形成術を行います。1〜2ヶ月の安静後に投球を開始し、3ヶ月での競技復帰を目指します。

最後までご視聴くださり、ありがとうございます。
今回は肘関節に関する障害・外傷の記事を書かせて頂きました。ゴルフ・テニス・野球競技者は、特に参考にして頂けると嬉しく思います。

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佐藤 廉

佐藤 廉

国際武道大学 体育大学出身 大学時代、自身が空手道選手でありながら学生トレーナーとして、学生アスリートのトレーニングをサポート。 社会人になり、Personal training gym MEXTRに入社。 年間2000セッションを担当するなど、お客様の身体づくりに貢献。 資格:健康運動指導士 NASM-PES JATI-ATI 日本赤十字社 救急法救急員

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