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前十字靭帯損傷(断裂)後のリハビリメニュー

2020.1.24

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こんにちは、MEXTRの佐藤です。

皆さんは前十字靭帯損傷という膝のケガをご存知ですか?

膝関節のケガは頻度の高いものであり、靭帯・半月板・関節軟骨など膝関節を構成する重要な組織が損傷し、スポーツ活動に支障をきたすことが多くあります。

その中でも前十字靭帯損傷は最も深刻なケガであり、靭帯と半月板を合併して損傷する場合も多くあり、より重症度の高いケガへ繋がることもあります。

スポーツ現場では、主にバスケットボール、サッカー、バレーボールなどの競技で多く見られ、急激なストップ動作やジャンプの着地動作で前十字靭帯損傷が見られます。

現在でも前十字靭帯損傷後にスポーツ競技に復帰できなかったり、スポーツのパフォーマンスが下がってしまい満足できる競技生活を送れていない学生やアスリートは多くいるのではないでしょうか?

今回は前十字靭帯損傷に対しての解剖からリハビリまで解説していきます。

目次
  1. 膝関節の解剖
  2. 前十字靭帯損傷後のリハビリ[初級]
  3. 前十字靭帯損傷後のリハビリ[中級]
  4. 前十字靭帯損傷後のリハビリ[上級]

1.膝関節の解剖

膝関節は、膝蓋骨・大腿骨・脛骨という3つの骨で形成されています。

膝関節は骨形態上の適合性が乏しく、非常に不安定な関節です。そのため半月板・靭帯・筋肉が膝関節の安定性を高めたり、衝撃を吸収する役割をしています。

図1

図2

図1には、前十字靭帯後十字靭帯が存在し、大腿骨と脛骨をつなぎ安定させています。

前十字靭帯:膝関節の前方に対する安定性を保ち、脛骨の前方移動を抑制します。

後十字靭帯膝関節の後方に対する安定性を保ち、脛骨の後方移動を抑制します。

 

図2には、大腿四頭筋(大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋)という4つの筋肉が存在し、膝関節を動かしたり、安定させる役割があります。

大腿四頭筋:全身の筋肉の中で、最も大きく強い筋肉。ジャンプの着地やダッシュからの減速時に大きな力を発揮するため、前十字靭帯損傷の予防・再発予防としてとても重要な筋肉です。

2.前十字靭帯損傷のリハビリ[初級]

前十字靭帯損傷後は、膝関節の動きが悪くなってしまい、本来動くはずの機能が制限されてしまいます。

その為この初級編では、早期に膝関節の機能を高める事を目的として行っていきます。

レベル1. ヒールスライド

かかとにタオルを通し、手でサポートしながら膝の曲げ伸ばしを行います。

膝関節の可動性の向上

膝関節に痛みが無いか確認しながら、ゆっくり行います。

レベル2.パテラモビライゼーション

膝を軽く曲げた姿勢で、膝蓋骨を手で挟みます。膝蓋骨を上下・左右に動かします。

膝蓋骨の可動性の向上

膝蓋骨の動きを確認しながら、優しく、ゆっくり行います。

3.前十字靭帯損傷のリハビリ[中級]

膝関節の動きが改善したら次は筋力トレーニングです。前十字靭帯損傷後は、大腿筋群の筋力が低下してしまいます。

この大腿筋群の筋力が落ちてしまうと、身体を支える力が弱くなってしまったり、膝関節の支えが脆くなってしまい、再びケガに繋がってしまいます。

その為、この中級編では早期に膝関節周囲の筋力を高める事を目的として行っていきます。

レベル3.チューブトレーニング

a.近位チューブ法

膝の少し下にチューブを当て、脛が前に出ないような状態で膝の曲げ伸ばしを行います。

大腿四頭筋の筋力向上

チューブをかける位置が下過ぎてしまうと、脛が前に誘導され靭帯にストレスがかかってしまうので、注意して下さい。

b.二重チューブ法

膝の少し下、くるぶしの辺りにチューブをかけ、aと同様に膝の曲げ伸ばしを行います。

大腿四頭筋の筋力向上

aよりも強度が高くなる為、痛みが無いか確認しながらゆっくり行います。

4.前十字靭帯損傷のリハビリ[上級]

患部の腫れや痛みが軽減し、日常生活が問題なく行える状態まで回復したら次はスポーツ競技の復帰に向けたトレーニングです。

実際のスポーツ競技では、コンタクトがある中で、急激なストップ動作や切り返し動作が頻繁に行われます。その為、リハビリの段階から実際の競技動作を想定し、リハビリとして取り組むことが再発予防としてとても重要になってきます。

レベル4.ニーベントウォーク

あごを引いて胸を張り、重心が上下に動かないように、膝を曲げたまま歩きます。

下半身筋力向上・膝関節の安定性向上

☆膝が前に出すぎたり、内側に入らないように、気をつけて行います。

レベル5.ツイスティングターン

a.ツイスト→サイドステップ

構えの姿勢から右にツイストし、足先と膝の向きを合わせたまま右足を軸に左足で一歩前に踏み込みます。

方向転換・着地動作での膝関節の安定性の向上

b.ツイスト→クロスオーバーステップ

構えの姿勢から右にツイストし、足先と膝の向きを合わせたまま左足を軸に右足で一歩前に踏み込みます。

方向転換・着地動作での膝関節の安定性の向上

 

最後まで、読んで下さりありがとうございます。

この記事が少しでも皆様のお役に立てれば嬉しく思います。

 

この記事を書いた人

佐藤 廉(さとう れん)

経歴

国際武道大学 体育学部 卒業

資格
JATI-ATI/NASM-PES/健康運動指導士

https://instagram.com/mextr_ren?r=nametag

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佐藤 廉

佐藤 廉

国際武道大学 体育大学出身 大学時代、自身が空手道選手でありながら学生トレーナーとして、学生アスリートのトレーニングをサポート。 社会人になり、Personal training gym MEXTRに入社。 年間2000セッションを担当するなど、お客様の身体づくりに貢献。 資格:健康運動指導士 NASM-PES JATI-ATI 日本赤十字社 救急法救急員

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